全席ビジネスクラスのLa Compagnieがパリ-ニューヨーク線に就航!果たして成功するのか全席ビジネスクラスで運航するエアラインの行方!

就航が遅れていた、La Compagnieが2014年7月21日に就航しました。
La Compagnieはパリのシャルルドゴール空港とニューアークリバティー空港間を、全席ビジネスクラスのB757で運航するフランスの新たな航空会社。

当初は7月11日に就航予定でしたが就航が延期され、もしかすると飛ばないんじゃないか・・・と思いましたが、どうにか飛びました。
就航から9月までは週2~5便とかなり不定期な運行となりますが、10月以降は週6便かデイリーでの運航を予定しています。

基本のスケジュールは以下の通り。

  • B0100 シャルルドゴール17:50→ニューアーク20:30
  • B0101 ニューアーク21:45→シャルルドゴール11:30(翌日)

見にくいですが、B0が2レターコードのようです。

料金は、現在キャンペーンで2名で予約するとtax込で1人1000ドルで往復できる出来るものがあり、日にちによっては、パリ-ニューヨーク間のすべての航空券の最安値となっています。
要は、エアフラやアメリカン航空の直行便エコノミークラスより安いのです。
片道だとtax込60000円~となっています。

にも関わらず予約が殺到していないのは、昨今の事故や就航したばかりで様子見をしている方が多いというのが専門家たちの見方。

個人的にはプロモーションが下手すぎて、まったく話題になっていないのが原因かと思っておりますが、それでもここ数日で徐々に席が埋まっている様子。
そりゃあビジネスクラスで往復10万円なら乗る人、普通にいますよ。

このパリ-ニューヨーク、距離にすると約6000km。
東京からだとデリーやホノルルあたりと距離が近いと思うんですが、この区間、往復10万円~でビジネスクラスに乗れる!って言ったら即完売するような気がするんですw



さて、大西洋を全席ビジネスクラスで運航する航空会社には波乱の歴史があります。

基本はロンドン-ニューヨークのフライトですが、まずは2005年にマックスジェット、2007年にはシルバージェットEOSが相次いで就航。
これらは全席ビジネスクラスの機材で、搭乗率も決して悪くありませんでした。
しかし 2000年代の後半の原油価格高騰が直撃し、全ての会社が2007年12月頃~2008年初頭にかけて運航停止。
他のFSAがこれらの航空会社を意識した、比較的安価なビジネスクラスの割引運賃を設定したのも理由は一つでしょう。

ロンドン-ニューヨーク線というのは、1日片道30便以上という、ドル箱路線。
それだけ需要があるなら、ビジネスクラスだけで運航しても需要があるだろう、と誰もが思います。
しかし結果は惨敗。

結局、新しい会社が全席ビジネスクラスで運航しても、大西洋横断絶対に成功しないと誰もが思いました。

しかし唯一成功した例があります。
それがブリティッシュエアウェイズ。

L'Avionと言う航空会社が2007年にパリ-ニューヨーク間で運航を開始しました。
もちろん全席ビジネスクラス。
当初はブリティッシュエアウェイズとは無関係な新たな航空会社として設立されましたが、2008年にブリティッシュエアウェイズが買収。いや、正確には買収してもらったという言い方が正しいでしょうか。

その後2009年にはブリティッシュエアウェイズの子会社オープンスカイズと合併して、現在もパリ-ニューヨーク線で運航をしています。
当初は全席ビジネスクラスでしたが、今ではプレミアムエコノミーも導入され、他の航空会社とほとんど変わらない姿となりました。

そして全席ビジネスクラスで運航をし続けているのが、ブリティッシュエアウェイズのクラブワールド・ロンドンシティと呼ばれるロンドンシティ空港とニューヨークJFK空港を結ぶ路線。
2009年9月から運航を開始しており、La Compagnieが運航する前は唯一の全席ビジネスクラスの大西洋横断フライトでした。



実はLa Compagnieの創設者の1人は上で紹介したL'Avionの創設者と同じ Frantz Yvelinという人物。
La Compagnieはさらにスイス航空の元COO、Peter Luethiも招いて設立されました。

La Compagnie、どうもL'Avionと同じ感じなんですよね。
今回も失敗に終わり、しばらくしたら運航停止かどこかの会社が買収するんじゃないかと既に噂されています。
La Compagnie : la nouvelle low-cost affaires entre Paris et New York prête à commissioner les agences
なぜこの人はまた全席ビジネスクラスで同じ路線で運航しようと思ったのか。
素人にはアホにしか見えませんが、何か理由があるんでしょう。

ブリティッシュエアウェイズがロンドン-ニューヨーク間で成功しているのは、機材のサイズやブランド力等様々な要因があります。

しかしLa Compagnieにはまだ「価格」という武器しかありません。
果たして数年後も運航を続けているのか、要注目です。



そういえば、スカイマークが全席ビジネスクラス・プレミアムエコノミークラスのA380でニューヨーク就航が予定されていますが、果たしてどうなるのでしょうか。

世界でプレミアムクラスだけの機材で現在も運航しているのは、今回紹介したブリティッシュエアウェイズのパリ・ロンドン-ニューヨークと、カタール航空のドーハ-ロンドンのみ。

新興系航空会社が全席プレミアムクラスだけで成功した例はまだ存在しないでしょう。

La Compagnieとスカイマークは航空業界の歴史に新たなページを刻むことが出来るのか、もしくは失敗した航空会社一覧に載るだけか。

そんなところも注目ポイントです。