LCCが運航する世界最長・最短のフライトは?あの狭さで7時間!?

有名な世界最長フライトといえば、シンガポール航空が2013年まで運航していたニューアーク発シンガポール行きのSQ21便。距離は15343km、所要時間は18時間50分というフライトでした。
成田から飛ぶとなると、東に行けばペルーの首都リマ、西に行けば南アフリカのケープタウンまで行けてしまう距離です。

2014年10月現在の世界最長フライトは、カンタス航空のダラス・フォートワース発シドニー行きのQF8便。距離は13804km、所要時間は16時間55分です。

距離は400km程短くなりますが、所要時間だけならサウジアラビア航空のジッダ発ロサンゼルス行き、SV41便も負けてなく、所要時間は16時間55分。

しかし所要時間が16時間を超えるような長距離フライトを運航しているのは全て、フルサービスキャリア"FSC"。
機内食に機内エンターテイメント、枕にブランケットとエコノミーでさえ至れり尽くせりのサービスが期待できます。

というわけで本当に辛いであろう、格安航空会社"LCC"が運航する世界最長フライトをご紹介。せっかくなので最短フライトも。
注意事項
・明記が無い限り2014年-15年の冬スケジュールを参考
・明記が無い限り737-800なら189席仕様、A320なら180席仕様で運航しているLCCに限定

737・A320シリーズで運航しているLCCの世界最長フライト

第1位はKLM-エアフラ系のLCC、トランサヴィア。アムステルダム発ドバイ行きのHV6901便。
距離は5174kmで、所要時間は7時間ジャスト。
機材は737-800で、もちろん189席仕様。

日本のLCCなら、スプリングジャパン(春秋航空日本)で7時間乗り続ける感覚でしょうか。
東京からならベトナム南部あたりまで行けますね。

尚、折り返しのドバイ発アムステルダム行きは、イスタンブール経由となり直行便ではなくなります。

第2位は北欧のLCC、ノルウェジアンエアシャトル。
ドバイ発ストックホルム行き、DY5022便。距離は4806km。所要時間は7時間。
距離ではトランサヴィアに負けますが、所要時間は同じ7時間。
機材は737-800。
トランサヴィアといい勝負です。

第2位と第3位の間にはジェットブルーとウエストジェットがランクインしますが、どちらのLCCも少しゆとりのあるシートなので、ランク外とします。

距離の第3位はライアンエアー。ストックホルム・スカブスタ発カナリア諸島のテネリフェ・スール空港行き、FR1016便。距離4273km、所要時間6時間5分。
機材は737-800。
ライアンエアーのリクライニングが出来ないシートで、6時間。まさに苦行。

所要時間の第3位はジンエアー。ソウル・仁川発バンコク・スワンナプーム行き、LJ1便。
距離は3732kmと短くなりますが、所要時間は6時間10分とライアンよりも10分増えます。

4000km以下、所要時間が6時間以下だと10社程度のLCCが運航しており、ランキングを作成するのはかなり大変なので省略。

737・A320シリーズで運航しているLCCの世界最短フライト

日本の最短フライトと言えば、琉球エアコミューターのあの路線。距離だと10kmちょっとだったでしょうか。

LCCの場合、あまりに短いフライトだと利益が出ない・・・というのが実情。
そのためLCCの短距離路線は増えては消え、増えては消え・・・と繰り返しています。
現時点での最短路線はこれ。

第1位はタイガーエアフィリピンのマニラ-クラーク線。
2014年10月から運航を開始したばかりですが、距離は約90km、所要時間は30分です。
機材はA320もしくはA319。

第2位はイージージェットのリバプール-マン島線。
距離は143kmで、所要時間は40分。
機材はA319。

第3位は夏限定ですが、ノルウェジアンのトロムソ-アルタ線。
距離は170kmで、所要時間は35分。
機材は737-300。

プロペラ機を運用しているLCCもいくつかあり、代表的なのはファイアーフライやノックエア、フライビー等。
こういったLCCだと40分以下のフライトがいくつかあるので、今回はランク外にします。

長距離LCCの最長フライト

長距離LCCは数が少ないので、それぞれのLCCの最長フライトを調べてみましょう。

ジェットスター: ホノルル発メルボルン行きJQ2便
距離は8885kmで、所要時間は11時間40分。

エアアジアX: クアラルンプール発ジッダ行きD7 172便
距離は7044kmで、所要時間は9時間50分。

スクート: シドニー発シンガポール行きTZ1便
距離は6296kmで、所要時間8時間20分。

ノルウェジアン: コペンハーゲン発ロサンゼルス行きDY7091便
距離は9050km。所要時間は11時間20分。

セブ・パシフィック: 
距離だとマニラ-リヤド線で7778km。マニラ発5J740便の所要時間は10時間30分。
所要時間だとマニラ-クウェート線で、マニラ発5J7694便の所要時間が10時間40分。距離は7601km。

これから伸びていくビジネスモデルでしょうから、数カ月後には新路線が出来て各社の最長フライトが変わる可能性は高いはず。

個人的に気になっているのは以前記事にした、ノルウェジアンの欧州-ハワイ線。
これがもしも就航すると11000kmで、当分の間は長距離LCC世界最長フライトの座に居座り続けるでしょう。
ま、現時点でもノルウェジアンが最長フライトなんですがw

まとめ

よくLCCのシートが狭い狭いと言われるわけですが、間違いなく狭い。それは明らか。
ただ、その狭さに見合った料金であれば、737やA320で6時間7時間のフライトでも乗る人がいるというのは、今回のランキングを見れば明らかでしょう。

体のデカい(失礼)オランダや北欧の人間が、バカンスのために何時間もリクライニングの出来ないシートで移動する。
3年前の日本なら"そんなのありえない"と感じる人も多そうですが、今の日本なら納得する方もいるんじゃないかと。

LCCは4時間が限界?いえいえ、人間に限界はありませんw

日本から楽しめる?LCCの最長フライトは、ジェットスターアジアの福岡-バンコク線。
福岡発の3K510便で、5時間30分。
耐えられなくはない・・・フライトです。

自分はそんな狭いLCCを"現代の奴隷船"と呼んでいますが、狭さに見合った値段ならどんな狭いシートでも乗りますよ?