ジャーマンウィングスの事故で思うこと・・・ローコスト=ローセーフティーではない

ジャーマンウィングス9525便が墜落したとのこと。
まだ詳しいことはわかっていませんが、一人でも多くの方が助かることをお祈りしています。

さて、LCCネタが殆どを占めるブログなのに敢えてエアアジアの時は触れませんでした。
しかし今度ばかりはさすがに・・・と思ってしまったのでちょっとだけ書こうかなと。

ジャーマンウィングスって?

以前も書きましたが、ルフトハンザ系のLCC。
知って損はないヨーロッパの6大LCC
日本だとANAのピーチやバニラエア、JALのジェットスター?なんて感じがしますが、より緊密な関係です。

2013年からルフトハンザの運航するフランクフルトとミュンヘン以外の路線をジャーマンウィングスに移管。
例えるならJALが東京と大阪発着以外の路線を全てジェットスターに移管させるという事、というのを以前書きました。
例えば名古屋-札幌、福岡なんて路線も全てジェットスターが運航というイメージ。

実際、ANAで東京からバルセロナの航空券を予約した場合、デュッセルドルフ経由を選べば、必ずジャーマンウィングスに乗ることになります。
特別な方法を使わず普通に検索すると、今回墜落したフライトと同じ路線のジャーマンウィングスが出てきます。
日本人にはあまり馴染みのないLCCではありますが、ルフトハンザの一部としてドイツ人のみならず多くの利用者がいるということはわかるでしょう。

なんて書いた途端に日本人の方が搭乗されていたという情報が。
無事を祈るばかりです。

LCC=安くて危険?

さて、LCCはよく安全を軽視しているだの、危険だのと言われます。
根拠はLCCが安い運賃を提供している故。安かろう悪かろうですね。

ならば料金を調べてみましょう。

距離が比較的似ている2路線を調査。
まずはルフトハンザのロンドン→フランクフルト。最安値は63.88ポンド。
 続いてジャーマンウィングスのロンドン→デュッセルドルフ。
そしてジャーマンウィングスと競合しているブリティッシュ・エアウェイズのロンドン→デュッセルドルフの価格。
確かに最も安いのはジャーマンウィングスですが、全体を比べてみれば、決してジャーマンウィングスが最安値とは言えません。

そもそもジャーマンウィングスはLCCとしては激安の部類ではなく、FSCに比べ少し安い程度。

LCCを利用している方ならわかるはずですが、絶対にLCCが安いということはありません。
LCCが安い時もあれば、FSCの方が安い時もありますし、繁忙期にはFSC並に値段が上がったりなんてこともよくあります。

座席指定や預け荷物といったオプションの有料化や、前後のシートピッチを詰める等、他にも様々な方法でコストを抑え運航しているLCC。だからローコストキャリア。
少なくとも多くのLCCは安全性を最重要視し、毎日運航し続けています。

まとめ

ダラダラと書きましたが、何を言いたいかというと、日本の報道の仕方が嫌い。

欧米のメディアでは格安航空会社、バジェットエアラインだから危険という報道はまず見られません。
しかし日本のとあるテレビ番組では早速LCC批判をしたようで。
非常に残念ですね。
墜落原因がわからない現段階でLCC批判なんて論外。

ジャーマンウィングスはルフトハンザと同レベルの安全基準を順守。もっともヨーロッパでは厳しい安全基準を見たなさない限りヨーロッパ上空を飛行することはできません。
EASA(欧州航空安全機関)がFSCでもLCCでも厳しくチェックしています。

例えばAirline Ratingsでみれば、事故前のジャーマンウィングスは7つ星。
どのような資料を見ても、特別危険な航空会社とは言えません。

尚、今は事故が起きたので6つ星に下がっています。
Germanwings Review & Safety Ratings | AirlineRatings.com

テレビで煽るから、安い=悪みたいな感じがね。
文句があるならBBCかSky Newsでも見とけ!って感じなんですが、LCCを利用したことがない人がそういった日本の番組を見ると勘違いされてしまうのではないかと思った次第です。

事故後数時間後にイギリスのテレグラフが公開した記事。
Are budget airlines less safe? - Telegraph
格安航空会社も既存の航空会社も安全性には変わりがないという内容。すぐにこうした記事がでるのはさすがヨーロッパという感じですが、そもそも多くの欧米人はLCCだから安全性が低いという考えている人は小数派です。

LCCは風評被害に非常に敏感。エアアジアの件もありましたし、事故の真相が分からない段階で憶測だけでLCCを批判されるのは少し問題かなと感じます。